おはなしセレクト
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0:導入 1:旅立ち 2:赤と黒の滝 3:魔女が魔女である理由 4:救いのヒト
5:決戦 6:国賭けゲーム 7:きこえない声 8:新たな出発 9:罪の代行者
10:永遠の夜 11:最後のノート 12:じゃあ、また
かがやくものから 魔法が 消えて
第7話 「 きこえない声 」
「赤と黒の滝の洞窟の頂上」で
ふたりで夕焼けを見て、それからぼくたちは。
それぞれの道を行くことになった。
ぼくはまだ気付いていなかった。 かがやくものが、おおきく、変わってきていることを。
【けもの】 ここは、「見透かし山岳地帯」の「聖域」と呼ばれる場所。
水面に浮かぶのは、船のカタチした、棺たち。
「名もなき花」が、沢山、手向けられていました。
ここはふしぎな場所。 記憶のない僕なのに、懐かしい気持ちになれるんだ。
ここでおひるねしたら、気持ちいいかな。 ウトウトしてきたころ 遠くから聞こえる波の音と混じって 僕を呼ぶ誰かの声が、聞こえたような、気がしました。
「せかいのあな」という場所で。
今では彼を残して、全ての風が魔法を運ばなくなっていた。
彼は「最後の古い風」。 自分が変わることを恐れて、未だに魔法を運んで。
他の風たちは嬉しそうに 「名もなき花」をかがやくものへ手向けて。
「見透かし山岳地帯」でレアイベントに遭遇しました。
「金の魚」が何でも願いごとを叶えてくれるそうです。
僕の願いは…。
僕の好きなお花「名もなき花」が たくさん増えますようにと、そっとお願いしました。
そんなわけで。 とうとう「最後の古い風」も、魔法を運ぶのをやめたんだ。
大好きなけものの願いが ちょっぴりでもおおきく叶いますように。
大切に育てた「名もなき花」を、 かがやくものへ手向けることを決めたんだ。
見透かし山岳地帯にあるホテルで、ぼくは 楽器職人さんに出会ったんだ。
「しんかい」からやって来たぼくの話を とても興味深そうに聞いてくれていた。
「かがやくもの」には魔法があって
いままでは、風が魔法を運んでいたんだって。
衰退していた魔法だけど、とうとう、かがやくものから 完全に無くなってしまったんだって。
灯台樹が成長する時に生まれる「燃えカス」が魔法らしい。
ぼくらがいる、かがやくものにだけ、魔法が無くなったんだ。
風の住処は、きっと魔法であふれているから
風の住処に行けば、魔法を取り戻す方法が、見つけられるかも知れないね。
かがやくものの最先端を行く「きかいのくに」の 飛行艇を借りれば風の住処「せかいのあな」へ 行くことが出来るかも知れないんだって。
楽器職人さんによると、 ウィキンドさんは今「きかいのくに」にいないらしい。
なんでも「賞金稼ぎごっこ」をして遊んでいるんだって。
ウィキンドさんは 「きかいのくに」で有名な社長さんなんだって。
そして、廃坑の街では。
【魔女】 どうして、はきもの屋さんは むじゅんさんの知り合いである私を 対決に連れて来たり、手を抜いたり…等
現王さんにとっての裏切り行為をしたのでしょうか?
はきもの屋さんは衰退した権威者だったのです。 今回王位に就く事で 権威を失った者の名目も晴らす事が出来ます。 王位に就く事は、はきもの屋さんにとって 当然のようでした。
しかし…
むじゅんさんコールが、街中に響き渡ります。 街人さんたちは、 むじゅんさんが王位に就いて欲しいようです。
こうして、はきもの屋は、むじゅんの勢力内に入り さかさのくに・東の王になった。
所変わって、現王の牢屋では…。
はきもの屋が「さかさのくに・東」の王になって
初めての朝。
廃坑の街。
対決から、一夜明けました。
リーダーと魔竜ちゃんと私は、 賞金稼ぎギルドへ向かいました。 目的は、賞金の2億コロネで自由を買う事。
私、魔女は、賞金首に指定されています。 賞金首の指定を解除するべく、 2億コロネを支払ったのでした。
また一文無しの生活に、戻ってしまいましたが
私は晴れて自由の身になったのです。
ウィキンドさんは、乗り物会社の社長さんで 自社の試作品の試乗を兼ねて、 むじゅんさん捕獲戦の仕事をしていたのです。 試乗期間が満期になったので 「きかいのくに」へ帰るのだそうです。
ウィキンドさんとリーダーは 爆弾屋さんが複数いる事と、 報復にやって来る事を危惧しています。
むじゅんさんはそう言いますが、私は魔女です。 帰る家も家族もありません。 賞金稼ぎでいる他に、道が無いのです。
リーダーや魔竜ちゃんのいるここしか、居場所が無いのです。
ハッ。 いつの間にかギャラリーが出来ています。 私は一躍有名人になってしまったようです。
むじゅんさんは、話を続けました。
むじゅんさんは 魔法グッズで孤児院へ帰って行きました。
ウィキンドさん、むじゅんさんには帰る場所があります。 帰る場所の無い私にとって、 それはとても羨ましい事でした。
こうして、さかさのくにの殆どが むじゅんさんの物になりました。 むじゅんさんが言っていた、「救いある世界」。
それは、そう遠くない未来、なのかも知れませんでした。
そんなわけで。
廃坑の街に残された魔法使いチーム3人は、 現王直属の賞金稼ぎからフリーの賞金稼ぎに戻り 新たに仕事探しを開始したんだ。
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