おはなしセレクト
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0:導入 1:旅立ち 2:赤と黒の滝 3:魔女が魔女である理由 4:救いのヒト
5:決戦 6:国賭けゲーム 7:きこえない声 8:新たな出発 9:罪の代行者
10:永遠の夜 11:最後のノート 12:じゃあ、また
いま すべてのいきものが 涙を流したら
第11話 「 最後のノート 」
【魔女】 灯台樹さんが、なみだ(おひさま)を流さなくなって 全ての風さんたちも、いなくなって 永遠の夜が訪れてから、数日が過ぎました。
全てのいきものは、この闇に怯えました。 あの、きかいのくにでさえも。
でも、最近では この闇による恐怖に負けじと 明るい話題が増えた気がします。
私たちは、廃坑の街の宿に引きこもって レース編みをする日々を送っていました。
あっ!今日は 人気バンド「ヘルナイツ」の 生放送ライブがやる日です。 視聴しなければ!!
そんなことも知らないのですか? あれはパフォーマンスのひとつで 「ヘルナイツ」のカリスマを
よりアップさせているのです。
「ヘルナイツ」は かがやくもので大人気のメタルバンドです。 その魂揺さぶるヴォイスは 人々を魅了して止みません。
リーダーはもっと流行に 目を向けた方が良いのですよ。 そうしている間に歌が始まりました。
賞金稼ぎや一般人、全てのいきものが 一斉に動き出しました。
私たちも 幻の黄金の街へ行きましょう!
私たちは、 永遠の夜を終わらせる為に 幻の黄金の街を目指します。
幻の黄金の街は さかさのくに・東にある 「風車の大群」の先にあるそうです。 今までは強風で進む事が出来なかったこのばしょも
風がいなくなった今、 容易に立ち入る事が出来ます。
リーダー、魔竜ちゃん、私は レンタル飛行機で 「風車の大群」を横断します。
はきもの屋さんが、せかいの王になり 賞金稼ぎは優遇され、 全ての交通機関が 無料で利用出来るようになったのです。
あのキラキラした光は何でしょうか。 あれが幻の黄金の街…?
飛行艇メーカーの社長、ウィキンドさんと 社員のライダーさんに会いました。
お二人も幻の黄金の街を目指しているのですか?
ウィキンドさんとライダーさんは すごいスピードで飛び去って行きました。
このレンタル飛行機よりも 遥かに良いエンジンでも積んでいるのでしょう。
ウィキンドさんは、 せかいのいきものとして 幻の黄金の街に訪れると仰っていました。
他のいきものたちも、きっと、そう思っている気がします。
考えているうちに、幻の黄金の街へ到着しました。 想像していたよりずっと まばゆい街です。
私たちは、ヒトの流れに乗って 広場まで行きました。
幻の黄金の街の長老さんが取り出したのは ひとつの記憶の小びんでした。 これをそらへ打ち上げれば
永遠の夜は終わるのだそうです。
しかし条件があって 打ち上げる者は、 せかいで最も気高く強く美しい心を持つ者 でなければなりません。
大切な記憶の小びんが 割れてしまいました。
他に方法があるかもしれません。 諦めずに行きましょう!
壜屋さんは、記憶の小びんを作る事が出来るそうです。
この記憶の小びんを打ち上げれば 永遠の夜は終わりますか?
割れてしまった記憶の小びんには
幻の黄金の街の人々の 生きた記憶が入っていたそうです。
私たちの生きた記憶をこの小びんに入れれば
近いものが出来るかもしれないそうです。
全国民と私たちは、記憶の小びんに 記憶を入れる事になりました。
記憶の小びんは
まだまだ 記憶が足りないようで不完全でした。
全てのいきものの記憶を入れても
まだ足りないのですね…。
その時、真っ白ないきものが現れて 私たちに話しかけてきました。
けものさんも
生きた記憶を、小びんに入れます。
みんなで作った記憶の小びん。
記憶の小びんは
完全な形になりました。
その後、誰がこれを打ち上げるか
という話になったのですが、
打ち上げをしないで みんなで気球を作って そらへ昇らせようという事になりました。
そんなこんなで 私たちは記憶の小びんを気球に乗せて飛ばすのでした。
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